Market Reports

今年最も超高級物件が売れた、メイフェア地区の小さな通り

アシュバートン・プレイスでは過去1年間に1000万ポンド(約14億円)を超える物件6件の売買が成約した。

by Liz Lucking 2020120

過去1年間で最も超高級物件が売れた、メイフェア地区の小さな通り。

ロンドンの不動産エージェント「ベンハム&リーヴズ」の最近の発表によると、最高価格帯の“スーパープライム”物件が過去1年間に最も多く売れたのは、瀟洒なメイフェア地区に新しく作られたアシュバートン・プレイスという小さな通りだという。

この通りでは過去1年間に1000万ポンド以上(約14億円)の物件6件の売却が成立したという。

2017年に開通したアシュバートン・プレイスには、高級分譲レジデンス「クラージズ・メイフェア」がある。完成したばかりのこの34戸の建物では、5500万ポンド(約78億円)のペントハウスを含む数百万ポンドの取引が数多く成立している。

この通りは、スーパープライム物件の成約件数が首都ロンドンで最も多かっただけでなく、平均成約価格2750万ポンド(約39億円)、スーパープライム物件の成約価格の総額1億6540万ポンド(約240億円)の最高記録も達成している。

ベンハム&リーヴズの代表取締役アニタ・メーラ氏は同レポートの中で次のように述べている。「難航する英国のEU離脱交渉がもたらした政治的・経済的な不透明さが、ロンドンの高級物件市場全体の購入者心理に影響を与えています」。潜在的購入層が慎重になった結果、取引数が減少し価格も値下がりしたという。

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「しかし、この通りだけで1000万ポンドを超える取引が6件もあったということは、厳しさを増す状況にも関わらず、ロンドンが今でも世界で最も重要なマーケットである、またそうでないとしても少なくともその一つであることの証しです」とメーラ氏は語る。

アシュバートン・プレイスに次いで2位になったのは、高級住宅街プリムローズ・ヒルに近い、ロンドン北部のアヴェニュー・ロード。この通りでは、過去1年間にスーパープライム物件4件の売却が成立した。

どちらもケンジントン地区にある、ベルグレービアのウィルトン・クレセントとカムデン・ヒルのトレガンター・ロードでは、スーパープライム物件3件の売買が過去1年間で成約している。

同レポートによると、300万ポンド〜1000万ポンド(約4億~14億円)の物件価格で定義されるプライム不動産市場での過去1年間の売買はさらに活発だったという。

この価格帯で最も活発なロンドンの通りは、サザーク地区のブラックフライアーズ・ロードで、過去1年間に51物件の売買が成約している。この長い通りは、テムズ川にかかるブラックフライアーズ・ブリッジから始まり同地区内まで続いている。

億万長者の家が立ち並ぶことで知られるロンドン北部のビショップス・アヴェニューとマリルボーン地区のチルターン・ストリートはそれぞれ13件の売買成立で2位に入った。